独断と偏見に満ちた版権特効の話・安易な処理には手を出すな!
はい、前回↓の特効与太話の続きです。
https://fukkunmania.hatenablog.com/?_ga=2.12655223.1559767800.1630852173-154987041.1630852173
何を書こうかな~(書くことね~)と思ったのですが、特効(に限らず撮影とか)で良く見かける処理を書いておこうかなと思い立ちました。図を作るのがめっちゃめんどくさかったです。頭の中で念じるだけで生成できたらいいのに…
イラストとか色々応用が利くと思うのでここぞというときに使ってみてはいかがでしょうか。
ただ、こういうのも流行り廃りがあって、今は良くても数年後観たら「えっ古…」ってなる可能性は高いと思っています。色収差とかノイズとかグリッチみたいなやつも数年後には賞味期限切れてるんじゃないかな…でもかっこいいからいいか…
それでは見ていきましょう。
■ソフトフォーカス
いらすとや素材で主線が無いのでわかりにくいのですが、固い画を少しだけ柔らかくする効果があります。レイヤーモードを比較(暗)とかにしてもいいかも。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版の序と破は全体にソフトフォーカス効果かかってて線がぼや~っとしてましたね。Qからは外されてパキっとしたルックになりましたが。
個人的にはあまり使わないかな(CDみたいな小さい版権だとボカすと印象が悪くなるので)
■表面ブラー
いい名称が無かった…これは割と版権ならではというか、Photoshop縛りでやりなさい、となったら多分僕も採用すると思われる方法。表面ブラーを使うことで、エッジ以外をボカした素材を用意しておいて、それを比較(暗)で合成する手法ですね。
比較(暗)は、同じ明るさだと変化しないので、エッジ部分の濃く溜まった部分のみが合成されてフラットだった面が立体的になります。簡易ですが。
フラットなセルに主線があるというセルアニメに対するアプローチとしては簡単ながらも結構効果高い手法な気がしますね。やりすぎるとくどいけど。
■ディフュージョンフィルター(DF)
個人的に欠かせないというか、もうアニメ全般にこれが無いとかなりきついだろ、というほど流行ってる手法。「なんかお金かかってそうな画面だな~」って感じるアニメには多分使用されてると思っていいかと。
流派が色々あると思うので適当な例を一つ上に上げていますが、今までの手法と違って、途中でレベル補正を挟むのがポイントです。これにより、『明るい部分に光が当たって拡散(ディフューズ)する』という写真的な手法を取り入れることが出来ます。
昔の撮影台時代のアニメだと、カメラで実際にセルを撮影する段階で多少なりともこの効果が発動していたのではないかと思います。ブラーの強度、レベル補正の範囲を調整することで様々な表現ができます。
ただし、スクリーンで合成している関係上、どうしても明るさが変化します。これを抑えようとして比較(明)で合成するとあんまりおもしろくない…じゃあトーンカーブで明るくなり過ぎた部分を落とすか?みたいなことを考える必要があったりします。面倒ですね。
■グロー(発光)
ペンライトとかライトセイバーとか、とにかく発光している物体を再現する手法。これも流派がたくさんあると思うので適当な例を上に書いてます。
光らせたい部分を何個か合成して、ブラーのサイズを上げながら、それぞれ加算orスクリーンで重ねていきます。右下の合成後がかっこいいですね。
この時、あまりぼやけ過ぎず、かといって白トビしすぎない丁度いいブラー量にする必要がありますので、何回か調整は要りそうな気がします。知らんけど。
■と、色々紹介してきたけれど…
他にもさまざまな手法があるんですが、図を用意するのがクソ面倒なことに気づき、とりあえずジャブ的な内容に留めました。なんで図ってこんなにたいへんなんだろうね…
上の手法を使えば「なんかいい感じ」にすることはできるんですが、結局のところ最終的にどういう絵(画)にしたいのかというビジョンがないと、あれもこれもと効果を重ねてしまい、来来亭のコッテリラーメンみたいに超濃い画面になってしまうでしょう。(来来亭のラーメン好きだけど)
まぁ、定型的な処理を決めてしまって、それを何も考えずにとりあえずかける、というのは速度の意味では重要かもしれない…
■Photoshopでの作業が嫌い
さて、終わりに次回の記事内容になりそうなことを書いておきます。
上のやり方は確かにPhotoshop(に限らずペイントソフトならなんでも)で実現可能です。
ではベースレイヤーの絵に修正が入ったと想定してみるとどうでしょうか?上に掛けた処理は全部やり直しになりますよね。合成する絵が変わってしまうんだから。
これがね、ほんとに嫌いなんですよね。破壊的なワークフロー。
スマートフィルターとかありますけど、どうしてもある程度破壊的にならざるを得ない。
と、いうわけで次回『なるべくAfterEffectsでやりたい(仮)』に続きます…
以上です。